「ううっ…がんどうじだ(感動した)…」


わたしは袖で目元を拭きながら
前にいる菜々ちゃんに
そんなことを訴えかける。


「今日の授業、そんな感動する話だった…?
みっちゃんの涙腺、良くわからん」


なんて言いながら
菜々ちゃんは日本史の教科書を
ペラペラとめくっている。


「っ…ちがうよ、
信長くんに感動したんじゃなくて…」


「ぷっ…!の、信長くんって……!
同級生じゃないんだからっ…!」


と、なぜか菜々ちゃんは
肩を震わせて笑っている。


「……ツボりすぎじゃない?」


「だ、だって……っ…!
…はぁ、信長くんはやばい。」