「水族館、楽しかった?」


「うん、楽しかったよ!あ、そうだ。」


…不意にわたしは、
おみやげのことを思い出して
袋の中からイルカのぬいぐるみを取り出した。


「京ちゃん、これ絶対大切にしてね…!」


「…あれ?これ、実月とおそろい?」


「うん…!京ちゃんには
リボンがないバージョン…!
2人がこれを持ってるとね……」

 
……ずっと一緒にいられんだって…!


と、伝えようとしたけれど。


「っ……」


なんか急に恥ずかしくなっちゃって…
ついバッと口を塞ぐ。


「とにかく、ずっと大切にしてね…!」


わたしが必死でそう言うと
京ちゃんは「おう」と返事をしつつも
少し不思議そうな顔をしていた。


ジンクスを信じるわたしも
つくづく単純だなぁ……と
わたしは思わず苦笑い。


でも、京ちゃんとは
ずっと一緒にいたいから…


ジンクス、叶うといいな…。


イルカのぬいぐるみを見つめながら
わたしはそんなことを思っていた。