反対側のドアが、ガラッと閉まり
……再び、京ちゃんと2人きりになった。
__ガタッ…
そして、何も言わずに、
教室を出て行こうとする京ちゃんの手を
わたしは咄嗟に掴んだ。
「ま、待って…」
……わたしは、京ちゃんに
伝えなきゃいけないことが……
そんな思いを込めて
京ちゃんの腕をぎゅっと握った。
「…っ……行かないでよ…」
……わたしの言葉に、
一瞬だけ止まる京ちゃん。
でも……
「…わるい、待たせたのは俺だけど
やっぱ別々で帰ろうぜ」
……そんな言葉と同時に
掴んでいた感触がなくなった。
そして、遠ざかる足音……
ひとりポツンと、教室に残される。
「っ……なんでこうなっちゃうんだろう…」
そんな独り言が、妙に響いた。