そんな会話をしているうちに
ついに順番が回ってきた。


「中のお札を取ってから
ゴールに向かってくださいねー!
それでは、いってらっしゃーい!」


「は、はぁ……」


まるで夢の国へ送り出されるくらいの
明るすぎる接待に、逆に恐怖を覚える。


そっとドアを開けると、
中はもちろん真っ暗だ。


…なんか妙な音楽も鳴っていて
思わず鳥肌が立つ。


「そ、そうえば京ちゃん
オバケとか苦手だったよねっ…!」


わたしは、隣にいる京ちゃんに
そんなことを尋ねた。


「いや、俺そーゆうの全然信じないタイ…」


「そ、そんなことないっ…!!
だから京ちゃん、前歩いていいよ?」


「…お、なんでそうなった。」


「う、後ろはわたしが守ってあげるから!」


そう言って、
わたしは京ちゃんの後ろに隠れた。