「ほら、なんか食べに行くんだろ?」


「うん!」


……学校祭ということもあり、誰かとぶつかってしまうくらい混雑しているので、わたしは京ちゃんの少し後ろを歩いていた。


……なんでだろう。
京ちゃんのそばにいると、落ち着く。


わたしは、京ちゃんの背中を見つめながら
そんなことを思っていた。


航くんや雅人くんと一緒にいるときは
特に思わない感情。


京ちゃんが隣にいるときだけに思う
特別な感情。


いつの日か、テレビで見たことがある。


運命の人といると…『安心感』があるって。


一緒にいて、1番居心地が良いと思える相手こそ…本当に大切な人。


……もしかして、わたしの運命の人は……


なんて、ちょっと意識しちゃったら
恥ずかしくなって、思わず顔が熱くなった。