「ねぇ京ちゃん、お腹空かない?
何か食べに行こうよ!」
そう言って、
わたしは歩きだした…そのとき。
「ちょっと待って」
不意にわたしは、手首を掴まれた。
「…京ちゃん?」
「……これ、どうした?」
そう言って、
京ちゃんはわたしが着ている服の
袖部分を捲くりあげた。
「腕、赤くなってる」
「…っ……」
……こんな細かいところまで
気づいてくれるの、
本当に京ちゃんくらいだと思う…。
「ちょ、ちょっとぶつけちゃって…」
…本当は、雅人くんに助けられたときに
赤くなったところだけど、
言ったら心配されそうだから…内緒にした。
「……気をつけろよ?」
「ふふっ…ありがと」
京ちゃんの心配性は、もうずっと健在だな…
いつまでも変わらないことが、
なんか嬉しくて…
わたしはつい笑ってしまった。