「ところで、菜々海知ってる?
連絡取れなくてさ」
「あー、菜々ちゃんなら小林くんと…」
わたしがそう言うと、
穏やかな表情をしていた雅人くんは
ほんの一瞬、崩した気がした。
「……コバヤシくん?」
「うん!同じ実行委員の小林くんと
打ち合わせするって言ってたから
ちょっと遅くなってるのかも!」
「……そっか。じゃあ、今は
男といるってことね」
「……へ?」
「あー、なんでもない。ありがと茅ヶ崎さん」
「わたしの方こそ…!本当にありがとう」
「いーえ、じゃあまた」
雅人くんとわかれ、わたしは再び
京ちゃんにラインを送った。
『やっぱり学生ホールで待ってます!』
ホールだったら人も多いし、
さっきの金髪さんたちもいないよね……?
そんなことを思いながら……__