っ…怖い。
不覚にわたしは、そう思った…そのとき。
__ぐいっ…
「わっ…」
……突然、二の腕に痛みが走った。
そして気付けば、わたしは誰かに
強引にも腕を引っ張られていた。
「…あーうぜえ。
女困らせるナンパとか、まじでだせぇよ」
「……へ?」
…目の前には、誰かの背中があって
わたしをかばってくれている。
京ちゃん……に似てる。
大きい身長と、たくましい背中。
でも、京ちゃんじゃない。
引っ張られたときの痛みが少し残っていて、
わたしは思わず腕を押さえた。
「どうせナンパすんなら
ひゃくぱー落とせるテクニックを
持ち合わせてからしろっつーの。」
……かなり乱暴な言葉遣い。
いったい今、何が起こってるの……
彼の後ろで、
思わずわたしは固まっていると……