「実月ちゃん!」
そんな声と共に、
わたしは誰かに肩を叩かれた。
そして振り向くと……
「こっ、航くん……!」
いきなりの登場で、
わたしの心臓はバクバク鳴ってる。
だって、航くんに
彼女さんがいることを知ったあの日以来、
まだ会話をしていなかったからだ。
そりゃあ、いつかはするだろうって
思ってたけど…。
それがまさか、今日だなんて…
どうしよう……心の準備が…。
「なんか話すの久しぶり?」
「そ、そうだねっ…!」
……勝手に失恋して、しばらく航くんのことを
避けていました…なんてっ…
そ、そんなこと絶対に言えるわけないっ…!