予想外の言葉に、わたしは目を見開くと
京ちゃんは意地悪そうに
口角を上げていた。


その顔は…水族館で手を繋がれたときと
同じ顔をしている。


何かを企んだような……いたずらっぽい顔。


でも、京ちゃんは美形だから
どんな顔をしててもカッコよく見えて…


ちょっとずるいと思う。


「ッ……つ、繋がないよ…!
もう置いてっちゃうからね!?」


わたしはそう言って、
京ちゃんの横を通り過ぎると…


「ふっ…冗談だって」


少し困った声色が、後ろから聞こえた。