あぁ、もう無理だ…って、
そう思った。
16年間、ずっと一緒だったからこそ…
実月の良いところを
全部知ってるからこそ…
あいつに取られる、って…
俺はそう思ったんだ。
だから………驚いたんだ。
実月が白石と遊びに行くと言って、
別々で帰ったその日。
20時半になっても、
実月の部屋に明かりがつかないから
心配して実月の家に行ったとき。
「あー、実月なら帰ってきてるわよ…!
ごめんね~心配かけちゃって…。
……なんかね、実月
失恋しちゃったみたいで……」
実月の母親から、そんな言葉を聞いたとき
俺は驚いた。