「…はぁっ……実月…!」


……小さな背中にそう叫ぶと
そこには、涙目をした実月がいて……


「っ…京ちゃん、さっきはごめんなさい」


そう言って、俯いている実月に
俺は近付いて、頭にポンっと手を置いた。


そして……


「…なんでおまえが謝るの」


「…え?」


「謝るのは俺の方。
……ただの八つ当たりなんだ。ごめんな」


そう言って、
実月の頭をくしゃっと撫でた。


でも……胸の痛みは消えてない。


……もしかして河下にも、
こんなふうに触られたりしてんの?


……俺だけでいいのに、って……
そんなことを思っていた……__