ふぅ…。ここまで来れば、大丈夫なはず…
てか、ここ何処だろ。え、まさかの校舎内での迷子?

『と、とりあえず。歩いて見れば何処か分かるはず…!』

どうせ校舎内は、校舎内だしね!外には出ないし…(ドンッ)

『ったたたぁ…。あ、ごめんなさい…!考え事しながら歩いてたので…。』

〈えぇ…。大丈夫ですよ?それより、僕のほうこそ女性にぶつかってしまい申し訳ありません…。怪我とかはございませんか?〉

すんごい優しい人で良かったぁ…。これが、変な人だったら今頃カツアゲとか…

『はい!大丈夫ですよ。何処も怪我とかしていないので!』

〈そうですか…。それなら、良かったです。あ、申し遅れました。僕は、2学年のリク・エミールと申します〉

『あ、じゃあ。同い年なんですね!僕は、ナオ・レイリアって言います!』

ほぇー。同い年なんだ、丁寧な物腰だからてっきり先輩かと思ったー。

〈ナオ・レイリア…?あぁ…。なるほど。これが、噂の馬鹿王女…。それにしても、警戒心無さ過ぎじゃ…〉

『へ?僕がどうかしましたか?』

〈あ、いえいえ何でも…。それより、何処かに行こうとしていたのでしょうか?〉

あ、そういや。迷子になってたんだよ…

『いや、行こうとしてたって言うより。がむしゃらに走ってたら迷子に…』

うぅ…。恥ずかし…、初対面の人に迷子とか…

〈なるほど…。じゃ、教室までお送りしますよ…。これも何かの御縁ですしね?〉

まさか…、このまま着いてくるような王女じゃ…

『え、良いんですか…!ありがとうございます!いやぁ~。こんなに優しい人が居たんですね!』

ラッキ~。あー。帰れんのは良いけど、セイとか面倒いなぁ…。

〈え…。まぁ…〉

着いてくるって…。こっちの護衛さん達は、何をしてるんだか。こっちはこっちで迷惑王子の面倒見るの大変だってのに…

「あれ…。馬鹿ナオ、何してんの?で、横に居るの誰?アムさん達は?」

いやいや、イオ君。そんなに質問を投げかけられても…。っと、とりあえず。

『んと…。僕は、何でか分からないけど迷子になって。横に居るのは、同学年のリク・エミールさんで。アム達は…』

僕頑張ったよ!褒めて欲しいくらい!

「リク・エミール…?それって、まさか…」

〈おや、弟さんの方は物分りが良いようで助かりますよ…〉

あんれ…。リクさんに、イオが弟だって教えたっけか?

「何で、こんな時にアムさん達連れてないの…!ほんと、馬鹿ナオ…。とりあえず、俺の後ろに居て」

『え?何で?リクさん、いい人だよ~?』

「良いから…。エミールさんも、さっさと本性現してくれますか?」

〈そうですね…。まぁ、名前には偽りが無いのですが隠し事なら少し…〉

「…(テレポートが使えない…?まさか、こいつの異能力って…)」

〈私の名前は、リク・エミール。レーリア国出身。西の護衛をしております。〉

『レーリア国って…。敵対している…』

「そう。やっと気付いた?だから、後ろに隠れててって言ったの。」

え。じゃあ、結構ヤバい状況だよね?何で、こんな時にアム達居ないのー!

「にしても…。アムさん達遅すぎる…。アムさんの、千里眼があればすぐ見つかると思うんだけど…。もしかして…」

〈あいにく、千里眼は使えませんよ?私の異能力…無効化によってね?〉

『あー。何言ってるか、分からないけど。とりあえず、敵ならぶっ殺す!でしょ?』

「いや、そうだけど…。ナオは、今学園用の魔力なんだよ。俺も…。それなのに、西の護衛に勝てると思ってんの?」

『そんなの、やってみなきゃわからないじゃーん。』

〈なんていう。ポジティブ思考…。まぁ、そう簡単に私も倒されませんけどね?都合良く行けば王女と第2王子を潰せれるんですけどね…。まぁ、楽しみましょうか…〉

『ふふふー。ドーンと来い!』

「なるべく早く来てくださいよ…。」