思わず固まったよ。
何でその指に、
何でその指に。
綺麗な結婚指輪がはまってんだよ!?
頭に血が上ったって、不思議じゃねえだろ!?
自分でもびっくりするほどの力で、あいつの腕を掴んでた。
あんなに儚くて壊れそうだって思ってた華奢な腕を。
「何してんだよ!?誰にもらった!?」
「えっ!?」
まあそりゃ驚くよな。
そんな風に取られるなんて思ってないだろうし。
「どこの男にもらったって聞いてるんだよ!!」
一気に嫉妬が高まる。
その、驚いて少し怯えた顔が、やたら可愛く憎らしい。
ヤバいぞ俺。
「………っ!!外せよこんなもん!!クソッ!!」
力任せに引っ張って外そうとするけれど、彼女の細い指が取れそうな恐怖も感じた。
「痛い痛いってば!!お母さんの!!外れないの!!」
ついには半泣きで怒鳴られた。
「……ホントだろうな」
「ホントよっ!!わたしのこと信じられないの!?」
うっ!!
と言葉に詰まる。
だってよ。
それでも。こんな状況でも可愛いんだから仕方ねえだろ。
男って、バカで単純なんだよ。