「君が探していた男、先日詐欺で捕まったんだ。君の妹以外にも数人に手を出していてね、訴えられたんだ。」

「じゃあワタシの計画は最初から無駄だったの……?」

「無駄なことなんてひとつも無いさ。

君のしようとしたことは確かに間違っているけれど、無意味だったわけじゃない。

現に、君が殺人を計画したおかげで君と友ちゃんは出会えた。

それに私だってこの歳になってベトナムへ来れた。
“何かのご縁”ってやつかな?」

笑ってそう言うと、彼女も少し笑った。