**

「これは私の想像やけど、君が友ちゃんを頼ったのは友ちゃんが新参者だったからっていう理由だけじゃないね?

本当は自分の犯行を止めてほしかったんやろ?
わざわざ修学旅行に同行したのも、アンコールワットで涙を見せたのも、本当は自分の計画を知った上で止めてほしかったんだよね?」

私がそう言うと彼女は握っていたナイフを床に落とした。

「トモカはいつから知ってたんデスカ?」

「この計画を知ったのは昨日。君が怪しいと疑っていたのは空港でハンカチを渡したときだよ。その事は君にも言ってたけどね。」

「やっぱり見抜いてたんデスネ……。」
彼女はフッと笑った。