「はいはい」

閻魔は愛想のない私を愉快そうに見て、私の頭をクシャリと撫でると白い歯を見せて笑った。

※※※※※※

「仁、仁」

夕食後、私は自分の部屋に入ると、閻魔に気付かれないように仁を呼んだ。

ここのところ、仁とは全く会ってなかったから、話がしたかったんだ。

「仁ー?」

何度か呼んだけど、彼は一向に現れない。

仁、どうしちゃったんだろう。

夢でなら……会えるだろうか。

ポスッと枕に顔を埋めてそう考えているうちに徐々に瞼が重くなり、私は次第に眠りに落ちていった。

「仁、仁、いないの?」

…………。

夢の中でも、私は仁に会えなかった。