「なんだって?」

閻魔はサラリと答えた。

「さっき、肩が見えた時に分かったんだ。お前は何かに取り憑かれてる」

「へっ、誰に?!」

閻魔は片手で閻魔帳を持つと、もう一方の手でパープルブラックの髪を撫で付けた。

「さあな」

……さあなって。

「なんで分かったの?」

「だからお前の肩に、印が」

肩……?

私は、首を後ろに捻ると同時に肩を前方へ動かし、閻魔に言われた場所を見ようとした。

……なんだ。

私はホッと息をついてまくりあげた半袖を元に戻した。

「これはね、アザよ。昔からあるの」

そう。昔からある、星のような、アスタリスクのようにも見える、ごくごく薄いアザだ。