見つめれば見つめるほどそんなことをかんがえてしまうから、私は気分を変えるために小さく咳払いし、改めて口を開いた。

「閻魔。勝手に閻魔帳を持って帰っちゃってごめん。嘘ついて、本当にごめん」

やっぱり、私のしたことはダメな事だ。

最後くらいちゃんと謝らないとダメだ。

「閻魔。帰ったら……蘭さんに伝えて欲しいの。その……生意気言ってごめんって」

そう言った私を閻魔は暫く見つめていたけれど、やがて低い声を出した。

「……アッサリ返すんだな。どういう了見だ」

「朱里の意識が戻ったの。もう必要ない」

閻魔は私から閻魔帳を受けとると、それをパラパラと開いた後、呟くようにいった。

「話は変わるが……お前、取り憑かれてるぜ」

は?