「帰って!」

「閻魔帳返したらな」

……あ。

そうだ。

朱里の意識は回復したし、閻魔帳なんてもう必要ない。

私はニヤリと笑うと引き出しを開けた。

「閻魔、入ってきて」

私の声に、ガチャリとドアが開く。

「あ?」

「返す」

私の両手の中の閻魔帳を見下ろした後、閻魔はさほど驚かずに黙って私を見た。

男らしい頬をわずかに傾け、少し眼を細めた閻魔は、とてもカッコよかった。

ああ、閻魔って、やっぱかっこいいんだな。