ある日の昼休み。


「青沼君、ちょっと良いかな？」


一人の小柄な女の子が顔を赤らめながら優斗を呼び出した。


「どうした？」

「少し話したい事があるんだけど・・・・・
一緒に来てくれないかな？」

「え？あぁ・・・」


告白だと言うのは、誰がどう見ても一目瞭然なのに・・・・


分からないんですよ、この人は。


「桜、翔太。ちょっと行ってくる。」

「「行ってらっしゃ～い。」」


女の子と一緒に出て行く優斗の後ろ姿を眺めながら手を振る。

でも、何故か私の心の中は、
その光景を見てズキンッと今まで感じた事のない痛みで埋め尽くされていた。


そんな私の事を見ている人が居ることも気づかずに。