「……そうゆうハルも、髪染めたでしょ。」
「まあね。学校には言うなよ?」
そりゃ言わないけど……。
確かにハルのふわふわのくせっ毛に、今の明るめの茶色は似合っている。
でも私は、前の黒髪も好きだったんだけどな。
「あんまりチャラチャラしすぎないようにね」
「はいはい。……あ、あさぎ」
ハルが真剣な顔で、私の顔を見つめてきた。
中身がガキでも、顔はイケメンだ。切れ長の瞳でじっと視線を送られ、不覚にもドキドキしてしまう。
……言いたいことは、大体分かっている。
ハルも私も、もう高校生。小さい頃とは訳が違う。
現在彼女募集中のハルとしては、幼馴染なだけの私なんかと噂を立てられては困るのだろう。
高校からは、あまり構ってくるな。
きっと、ハルはそう言いたいのだ。
偶然、同じ高校に入学したと知った時から覚悟はしていた。
小さい頃から一緒だった彼と離れるのは寂しいけれど、仕方がない。
何を言われても、笑顔でうなずこう。
「高校での話だけどさ……」