下見で何回も歩いた通学路。その先に見慣れた姿を見つけた。
「ハールッ!」
「うおっ!?」
こっそり近づき、思いっきり背中を押してみる。
電柱にぶつけてやるつもりだったのに、間一髪で受け流されてしまった。チッ。
「え、あさぎ!?何すんの、俺もうちょいで頭ぶつけてたんだけど!」
「ごめんね………ぶつければ良かったのに」
「おい!聞こえてんぞ!」
幼馴染の結城遥。あだ名はハル。ちょっとばかし顔が整ってるせいで、ファンクラブなんてのが在るとか無いとか。
どちらにせよ、私から見ればただのガキだ。
「あれ、あさぎ、髪型変えたんだ。」
「あ、うん。ちょっと子供っぽいかと思って。」
中学まで、私は下目のツインテールだった。でも高校生になって、高めのポニーテールに変えることにした。
制服のリボンと同じ、細い赤紐で括っている。
自分では、割と気に入っている。