ドキドキと鳴る心臓を落ち着かせてると、ひとつ目の駅に着いた。


そこでちょうど妊婦さんが乗ってきた。



席代わってあげないと!


私はすかさず立ち上がる。




すると立花君が私の腕を掴み、それを阻止した。


驚いていると、立花君はさっと立ち上がり、その妊婦さんに声をかけた。



「すみません。ここ、どうぞ使って下さい」


そして妊婦さんがふらつかないように支えながら、私の隣に座らせた。



「まあ、ありがとう!助かったわ」


「いえいえ、お互い様ですから」



にこにこと会話する立花君。


スムーズな流れに感心した。