「ねー、陽ー?」

「……な、に?」


その笑顔が、
怖いんですけど。



「俺今付き合ってんだけどー?」

「……」

「俺の彼女誰だっけ?」

「……」



「俺さー。彼女と約束したんだよね。」


「でもさー、その彼女どーも忘れてるみたいだよなー。」



そう言って、
私に、

これまた嘘臭い笑顔で、




「約束破ったら、そりゃ、ダメだよな?」



「破ってないし!!!」




慌てて、咄嗟に言い返す。



そんな私の前で、

狭い住宅街の電柱に寄り添って、

和泉が腕をくみながら、



「へー?湊太の前で赤くなって、さっきは亮平には俯いて、頭まで撫でられてたよね?」



……って、
なんで知ってんのよ!!




「いや、撫でられたとかじゃなく、どちらかというと叩かれて、」



そう言って
また慌てて言い返そうとすれば、


和泉の組んでいた腕が解かれ
手がまた、

私の前に伸びてきて……。



思わず1歩下がろうとした私より、

和泉の腕のが少しだけ早くて、
手がまた繋がれた。



そして、
そのままその私の手を


和泉の口元にもっていき、


こいつはなんと、




ペロって私の指を、なっ!舐めた……!?