リョウの彼女の奈々子が、初めて美保を連れてきたとき、
なんて可愛い子だろうと思ったんだ。
でも、美保の第一印象は清楚でおとなしい子っていう感じで。
可愛い子だとは思ったけれど、それだけだった。
‥‥けど。
「どうも、
俺、智也!」
「あははっ、智也くんすごい寝グセ!
どーいう寝方したらそうなるのー!?」
そう言って美保は、初対面にもかかわらず俺の寝グセを見てケラケラと笑った。
それが、俺と美保の最初の会話。
おとなしそうな美少女、っていう印象だった美保は、
実際にはすごく明るくてサバサバした女の子だったんだ。
仲良くなってみるとすごく話しやすくて、
美保と一緒に居ると、楽しくてたまらなかった。
だから、
そんな美保に、俺が恋をするまでには時間はかからなかった。