「‥‥‥あ」


辺りをキョロキョロと見回すと、
ナナメ後ろの春奈と目が合った。


春奈は、俺と目が合うと
紙くずを指さし、悪戯っぽく笑う。




‥‥なるほど、投げたのは春奈か。
俺が寝てばっかいるから、邪魔したんだな。


得意げに笑う春奈に、俺はさっきの紙くずを投げ返す。
ただし、中に返事を書いて。



『分かったよ、起きる起きる!

部活のために、体力温存してんの♪』




先生の目を盗んで俺が投げた紙が、春奈の机の上にコロンと落ちる。
春奈はそれを拾って中を見た。