「私じゃ無理だと思ったから断ったんでしょ?」
いや、ただ俺の身勝手な気持ちで断ったんです。
彼女の問いかけに心の中で答える。
「ありがとう、気を使ってくれて」
笑顔で言う彼女、そんな笑顔も言葉ももらう資格なんて俺にはない。
彼女は勘違いをして受け取ったらしい。
まぁ、彼女がバイトしなくなるのなら何でもいいのだが……
「私、璃玖斗くんが安心できるようしっかりしなくちゃね」
なんて事まで言い始める彼女。
「沙羅は充分しっかりしてるよ」
本当にそう思っている。
俺は彼女に向かって伝えた。
「いつもありがとう璃玖斗くん、でもいつまでも甘えてられないもん」
そんな事を言って彼女は手に持っていた紙を俺に見せてきた。