「あ、璃玖斗くんおかえり」


「……あぁ」


彼はそのまま私の方に近づいてきた。
そして私が持っていたコンビニの袋を取ると中身を見た。


「飲み物買いにコンビニに行ってたの」


「……そう」


そのまま彼は飲み物の入った袋を私に返さなかった。


多分私の代わりに持ってくれたのだろう。
そういう何気ない優しさが伝わってくると自然に顔がほころぶ。


「久しぶりじゃん璃玖斗!」


「どうも」


「相変わらず素っ気ねーなー」


「沙羅になんのようですか?」


いつもより怒った様子の璃玖斗くん、先輩に強く当たっている気がした。


「バイトのスカウトだよ、沙羅ちゃんに」


「……」