カラン…

扉に付いた小さな鈴が低い音を鳴らす。静かな店内に小さく響き、来客を知らせる。俺はその音を背中に聞くと、そっと扉を閉めた。
閉めた途端にまるで外の喧騒が嘘のように静かになる。その中に溶け込むかのように流れるjazzの音。俺はいつもと同じ席に向かった。