放課後、部室に行った。
たった、2日来なかっただけだけど、なんか、懐かしいって気分になった。
「チーッス」と言って部室に入ると、もう、何人か集まっていた。
目で挨拶するくらいで、誰も、何も話そうとしない。
いつもは、ガヤガヤ、ワイワイ、うるさいくらいの部室の中に、外の音が聞こえてくる。
後から来た奴らも、所在無さげにしている。
どうやら、集まってくるのは三年生だけらしい。
いつも元気で、みんなを引っ張ってるタベッチでさえ、静だった。
みんなが、集まりきったころ、顧問の宮部先生と、加藤監督が入って来た。
入ってくるなり、監督は、俺たちに向かって
「一昨日の試合は、俺の采配ミスだった、すまん」
そう言って、深々と頭を下げる。
小柄だけど、自信に溢れた監督が、ふた回り以上、小さく見える。
みんな慌てて、そんなこと無いです、とか、自分達のせいですとか言って、頭を下げる。
頭を下げなから、あぁ、やっぱり、負けたんだなぁ～って、改めて、再認識した。