「学校は、どうだった?」
一番気になっていたことを聞いてみる
「う~ん、微妙だったよ。みんなも、先生も、腫れ物にでも触るような感じ」
まあ、そうだろうな~って思った
「他の野球部のみんなは?」
「主将の田部井君は、来てたかな。でも、やっぱり、休んでる人が多かったよ」
タベッチ、スゲエな。責任感半端ねえな
「あと、担任で部活の顧問の宮部先生からの伝言。明日は出てこいよだってさ」
宮部先生、ごめんなさい
「でも、これから、どうすんの?」
自分の部屋のようにくつろぎながら、恵子がいった。
これからか~なんも、考えて無かったなんて思いながら、
「大学いくような、頭もないし、就職するしかないのかな~」
「いやいや、そんな先のことじゃなくて」フムフムとか言いながら
「明日から、まあ、夏休み終わるまでの間の事。夏体終わったら、三年は引退じゃん」
ほほ~っとか言ってる
「夏体、終わっちゃったし」
そうだよな~夏休み後半まては、少なくとも、夏休み入るくらいまでは、野球馬鹿してるつもりだったからな~
「全然考えてなかったな~、想像すらしてなかった」
「まあ、隆なら、そんなとこだよね~」
これは、なかなか、なんて言っている。
「さっきから、何してんの?」
覗き込むと、恵子のヤツ、ベッドの下からエロ本を引っ張り出して見てやがった。
「おまえな~、人のプライバシーを侵害すんなよ」
「いや~、隆がどんなのが好きなのか興味があって」
エロ本の写真と同じようなポーズをとって
「どう?そそる?」とか言ってやがる
ちょっと、意地悪が言いたくなって「あぁ?ジャージの上下じゃなくて、それに、もう少し胸があったらな」なんて言ってやった
バザーって、エロ本が飛んできて、恵子は、部屋を出ていきながら
「隆の馬鹿ーっ、落ち込んでると思ったから、馬鹿やって、少しでも元気が出ればって頑張ったのにー」って言って泣き出した
「恵子、ごめんな、そして、ありがと・・・でも、嘘泣きは止めろよな」
「ちっ!パレていやがる」
「いいかげん、付き合い永いんだから・・・」
「でも、明日は、ちゃんと学校こいよ。なんなら、迎えにきてやろうか?」
と言いながら、じゃぁね~と言って、帰ろうとしてる。なんか、本当に迎えに来そうだな
「大丈夫、明日は行くよ」
恵子の背中に声をかけた