夏休みも半分を過ぎた頃、俺の部屋で、恵子に勉強を教えてもらっていた。
個人授業だから、解りやすいことは解りやすいのだか、体罰有り、罵詈雑の精神攻撃有りで、とっても厳しい。飴と鞭を使い分けるって宣言したわりに、鞭しかもらってない気がする。飴を要求したら、
「飴はね、良く出来たら、貰えるんだよ」って、真顔で言いやがった。
今日も、恵子の攻撃に四苦八苦していると、
コンコンって、ドアをノックされた。
「はーい」と恵子害ってドアを開けると、ジュースとお菓子を持った母
ーブルに持ってきたモノを置きながら、
「あら、かあさん、ノックしたら、ちょ、ちょっと待って、ドタバタってのを期待してきたんだけど」
あんたは、何を期待してるんだ?
「か~ちゃん、俺達は、その、なんだ、プラ、プラ、プラスチックな関係なんだよ」
頭を恵子にポカッと叩かれ
「プラトニック!」
「そう、その、ニックな関係」
い、いやだな~、ジョーク、ジョークですよ
母が、恵子に、隆って、馬鹿の上に根性無しなの?とか聞いている。
こらこら、恵子、馬鹿の上に根性無しで、意気地無しなんですよ~とか言わない!
二人に、なんか文句あるのって睨まれた。
「か~ちゃん、勉強してるんだから・・・」って言うと、
ハイハイって言って、部屋を出ていきながら、恵子を振り返り、
「恵子ちゃん、避妊は、キチンとするのよ!泣くのは女なんだから」って言ってドアを閉めた。ドアの向こうから、この年でおばあちゃんもいいかも・・・なんて言ってるのか聞こえた。
うちの親ってば、何を考えているんだか・・・