補習が始まった。
内容的には、テストで出た問題の解説だった。
さすがに、三日間で一学期分の授業内容を教えることは、出来ないよな。
教室の中には、数えるほどの生徒しかいない。まあ、赤点を取る生徒が、沢山いたら、それはそれで問題なんだろうけど・・・。野球部で、補習出ているのは、俺はだけだった。他の奴等は、そんなに、頭、良かったのか?後で聞いたら、数学は、部活の顧問だから、みんな頑張ったらしい。
「お前、顧問の先生に、恥をかかすなよ」って、タベッチにも言われた。
窓の外からは、夏休みも活動中の、部活の音が聞こえてくる。野球部も、二年生を中心とした新体制で活動を再開したようだ。辞めるって言ってた監督も、引き留められて、続けることにしたらしい。
久しぶりに聞く、ボールを打つ音か、ちょっと懐かしい。
なんか、しみじみと、俺の夏は、終ったんだって感じる。
「おい!隆、聞いてるか?」
ぼーっと、そんなこと考えてたら、宮部先生に注意された。
「うぃーす。聞いてまーす」
「でも、隆が授業中に起きてるのを初めて見たきがするぞ」
教室の中から笑いが起こる。
俺自身も、そう思う。
「まあ、他の奴等も、似たようなもんだけどな」
教室中を見回しながら宮部先生も笑う。
やっとこさ、三日間の補習が終った。
補習が終った後、宮部先生に、話があるから残ってくれって言われた。
まさか、補習したけど、救いようがないから、留年決定!とか?