月明かりがさす淡い光で目を覚ます。

「(あれ?……ココは)」

「起きた?」

声の方に顔を向けるとそこには見知った顔。

咏星 輪が、そこにいた。

「輪……。僕、倒れた?」

心の不安を察知したのか輪が氷の髪を梳く。

「大丈夫。氷の好きなホットミルクの砂糖多めとゲーム機。」

そう言って、輪もベットに腰掛ける。

ギシッというスプリング音。

クルクルとマドラーを扱いながら、ミルクを口に含む。

ほんのりとした甘みが不安を取り除く。

そして、ゲーム機を手に取り電源を入れる。

音の無い部屋にゲーム内の音とカチカチ音。

心地が良い。

単純にそう思った。

気持ちが落ち着き、安心したからかお腹がすく。

輪が用意した夕飯を食べ、お風呂にはいる。

明日の授業の準備を整え、後は寝るだけ───。