キーンコーンカーンコーン

始業のベルが、校舎内に響く。

ここ、彤跳(あかばね)高校は地方有数の進学校。

そして、様々な逸材(いつざい)が共に勉学に励む場所。

チャイムに少し遅れて、先生が入ってくる。

「はーい。席につけー。」

ガヤガヤと席につく生徒。

「全員いるな?……ん?譯鴟(ヤクシ)がいないか?おい。咏星(ウタホシ)、譯鴟はどうした?」

咏星と呼ばれた黒髪藍色の瞳の女子は、オドオドと首を横に振る。

「あいつ。なにしてんだ?」

すると、教室の後方のドアが勢いよく開く。

「すみませーん!遅くなりましたー!」

陽気な声が響く。

真っ白い白髪から覗く鴇色が妖(あや)しく煌(きら)めいていた。

「なにしてたんだ!」

先生の声に軽い返事をかえす。

「え?あぁ……エヘヘ:*:・(*´ω`pq゛」

みんなの視線が白髪女子に集まる。

「譯鴟。お前、まさかとは思うがソレが死体かなにかで、現場に行った……なんて、言わないよな?」

先生が確認まじりに聞く。

生徒全員が、固唾(かたず)を飲んで少女の一言を待つ。

「はい!もちろん、そのまさかです!」

クラスの全員がため息をついた。

ある1人を除いて。