────廊下

「えぇ!?あの娘を見張る!?」

淨鑼の言葉にびっくりする祇。

「そうだ。あいつは何か怪しい。」

淨鑼は未だ応接間に残した氷の方を睨みながら言った。

「何でですか?あの娘はいい娘ですよ?」

祇は淨鑼に反論をとなえる。

だが、上司の言葉だ。

渋々了承する。

「分かりました。」

氷は刑事達と別れ教室へと戻る。

教室に戻る最中、廊下を歩く度に各教室からざわめきがしている。

生徒のざわめきなど聞こえないのか特に気にすることなく歩く氷。

教室の扉をガラッと開ける。

クラスメイトがどよめくのを知り目に席に着く。

「大丈夫?なんか妙な噂がたっちゃってるけど?」

後ろの席の輪が話しかけてくる。

「全然。輪はその噂信じる?」

氷の言葉に顔を強ばらせる輪。

「そんな訳ないじゃん!」

意外な輪の声色にクラスメイトが動揺している。

泣きそうな表情とは裏腹に言葉には怒りがこもっている。

比較的穏和な輪のあるまじき口調に氷以外の全員が唖然としている。

「ごめんごめん。分かってるよ。(笑)」

輪を宥めるように微笑む。

「輪が信じてないならそれでイイよ」

氷の言葉に少々顔を赤らめながら輪は少し拗ねた様な表情を見せた。