────応接間

「さて、本題に入ろうか。」

そういって、話を切り出した淨鑼。

「今朝、君も居たと思うけど、塙蒔(ハナマ)商店街で、転落事故があった。───」

淡々と淨鑼は事件の内容を氷に語り始めた。

「───なるほど、でも良いんですか?一般市民にべらべらと喋って。」

氷は薄ら寒い笑みを浮かべてみる。

「──っ!!?」

淨鑼と祇は2人して口を紡ぐ。

「そんなにあからさまな顔しないで下さいよ。大丈夫です。他言しませんから。」

祇はホッとした顔を見せたが、淨鑼は少し疑心暗鬼な表情になっている。

「(こいつのさっきの顔……)」

淨鑼の脳裏には氷に対する警報が鳴っている。

”こいつを信頼して良いのか?”………と。

「何か気がついたことがあったら、是非教えて下さいね!」

そんな事とはつい知らず祇は笑顔で握手を求めていた。

淨鑼のコトなどお構い無く2人の話は進んでいく。

祇はまた、ペラペラと事件の内容を話す。

「(このバカ野郎!ペラペラと!╬)」

その後、祇の後頭部に手刀が直撃するのに1秒もかからなかった。