【くるみside】


ただただ涙がこぼれ落ちてきて
そんな私の背中を木崎さんは優しくさすってくれた。


落ち着いた頃にはもう終電の時間が来てしまう頃。




「こんな時間までごめんなさい。

あと助けてくれてありがとうございました。」



「一ノ瀬が謝るのは間違ってる。

お礼を言われる程のことは何もしてないし
守れなくて本当にごめん。」



「木崎さんは何も悪くないです。」




泣き腫らした目で、
でもちゃんと目を見て今言わなきゃ。




「助けてほしいときに居てくれる木崎さんは
私にとっては本当にヒーローみたいで、すごく素敵な先輩です。

でも奥さんがいます。

木崎さんには奥さんがいるので、、


私を救えなかったから謝るなんてやめてください。


私なんかより、、


木崎さんが守るのは、、奥さん、、ですよね?」