【くるみside】



翌日。
起きたらベッドの上。


やっぱり自分の部屋じゃない。
夢じゃなかったんだ。

隣に寝ていたはずの木崎さんがいない。



そう思っていると、
リビングの向こうの扉が開く。


「あ、起きた?おはよう。」


「おはようございます。あの、昨日私、、ほんとにすみませんでした、、」


「なんのこと?」



「え、、なんのことって、、?」



「一ノ瀬は俺に謝るようなこと何もしてないよ。」





この人なに言ってるんだろう。


会社の後輩が落ち込みすぎてて
さらには熱を出して
おまけに家に泊まっているのに。
謝らないわけがないのに。



「俺が車で家まで送ろうとしただけで、俺が泊まってけって言っただけ。ただそれだけのこと。」


ただ

それだけのこと?




「でも違う。私、、木崎さんには、、奥さんがいるのに、、」


「うん。一ノ瀬にも旦那がいる。俺らは共犯。もう人のこと言えない。だからお互い謝るのはなし。」