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「花は隙がありすぎる!ありえない!」


「だ、だって。本当に一瞬の出来事で……」


隙があったかと言われれば、答えはイエスだけど。でも、誰が急に香水振りかけられると思うのよ。


結局、私の家で遊ぼうということに決まって、家までの道を歩きながら美和子ちゃんのお説教を受ける私。


角を曲がれば家に着くっていうのに、美和子ちゃんのお説教は止まらない。


「そもそも、花はもう五十嵐のこと好きじゃないんだから!同じ匂いにされて喜ばないでよ」


「べ、別に喜んでるわけじゃない!ってか、ほらもう家に着いたから。その話はおしまい」


「あ、逃げるなコラ!」


急いで玄関のドアを開けて、美和子ちゃんから逃げるように玄関に駆け込む。


その後ろを興奮したイノシシの如く追いかけてくる美和子ちゃんの気配を感じながら、



「……っ、うそ」


玄関に並ぶ航の靴。
と、その隣に並ぶ、航のじゃない靴。



……なんで、今日に限って頼くん来てるの!?