逆に言えば、自分の中から必死に頼くんの存在を消そうとしてたんだって……気付いてしまった。



「……どうしよう、美和子ちゃん。私、認めたくないのかもしれない」


「なんで?」


「だって、頼くん私より年下なんだよ。それに航と同い年で……おまけに涼くんの弟」


「だから?」


「だから……って、」


「私だって、航くんのことで悩むことは多々あるけど。"好きだって気持ちを認めたくない"って思ったことなんて1回もなかったよ」


「美和子ちゃん……」


ぷくっと膨れてる美和子ちゃんは、恥ずかしいこと言わせないでとでも言いたげに軽く私を睨んだ後、キャラメルラテに口をつけた。


そうだ。


美和子ちゃんも航が好きなんだよね。



「関係ないんだよ、年下かどうかなんて。好きになったら年なんて関係ない。私、航くんを好きって気持ちさえあれば、乗り越えられない壁はないと思ってる。……って、偉そうに言いながらも告白する勇気はないんだけどね」



ハハッと小さく笑ってみせる美和子ちゃんの言葉が、私の心にジーンと響いていく。