ユリチは「ちょ、こっちきて」と盛大なため息をつきながら私を隣に座らせる。



「今授業中ってこと忘れてない?」



私は確認すると



「それどころじゃないでしょ!」



と怒られた。



そんなに重大なことかな、私の一目惚れって。



まあ、反論するとまた怒られそうだから黙っておこーっと。


そんなことを思っていると



「ハル、あんたが好きな人できた!とか初めて私に言ってくるから何事かと思えば…なんであの転校生なのよ!!」



ユリチはバスケットボールを抱えながら私に聞いてくる。



「えっ…なんでって…」



私が理由を言いかけたとき



「ハル〜〜!助っ人〜!」



遠くの方で私を呼ぶ声が聞こえた。