その瞳に負けるように一連の話を説明すると、国崎くんは息を漏らして意地悪に笑った。
「……へぇ。お前やっぱり友達いなかったんだな?」
「…………く、国崎くん。そんな、さらりと言わないでくださいよっ」
間違いではないけど、いざ面と向かって言われれば結構ダメージを受けるものだ。
「とりあえず、座れば……?」
廊下に腰を降ろしてあぐらをかいた国崎くんは、自分の隣をぽんっと叩いてこっちを見るから、促された私はおずおずと隣に座った。
「友達作るとか……小学生かよお前は!だいたい、それならさっさと正木に言えばいいんじゃねぇのか?」
「それは、そうですけど。でも、正木さんはご両親が厳しくて……今は、勉強に集中しなくちゃいけない時期みたいで」
「あー、病院の院長の娘って話だろ?」
「はい……、」
そんな難しい時期に友達になってほしいなんて言ってもいいのか、無神経なんじゃないかと自問自答を繰り返していた私。