「最終候補者のアピールポイントを当日、スピーチしてもらいます。そのスピーチ代表者は候補者につき一名です。ウチのクラスでは前回のナンバーワンに選ばれた椎名くんが、今回も多大なる推薦で既に最終候補者に決定しています……そこで………!!」



……え、何が起こるの?

席につく女の子全員がたちまち構えだす。



「このクラスで、椎名くんのアピール代表者に立候補したい方はいますかーー!?」


……と。



「「「………はい!!!」」」



……うん、これは異様な光景だと思う。


手を挙げて勢いよく立ち上がったのは、私と正木さん以外の女の子全員で、そのハンターのような目はギラギラと光っている……。



「わたしは溺愛同盟に所属しています!!クール王子のシャンプーの香りも、わたしの鼻にかかれば瞬時に言い当てることが……」


「ハァ……!?アンタはチラシの裏にでも書いてな!」


「ここは、東京生まれ東京育ちのあか抜けたわたしが、王子のために確実なスピーチを……、」


「なぁにが東京だぁああああ!?がっつりイモって顔してんでしょうがっ!!!」



……………。