「こ、これっ!当日の不気味ちゃんの段取りが書いてあるから、目を通しておいてよね……っ!」



バシッ、と机の上に投げられたのは、案の定その台本的な物で……。


女の子は、決して私と目を合わせたりせずにそそくさと席へと戻っていった。


や、やっぱり、私の役目になるんだ………。


渋々それを机の中にしまうと黒板には新しい決め事が書かれていた。



「……と、言うわけで。エントリー者の中から投票によって最終候補者が絞られました!」



次は、ナンバーワンの王子様とお姫様を決める創立記念祭限定のイベントについてで、議長的な女の子が進行している。



チラリ、と前回のナンバーワン・プリンスに選ばれた椎名くんを見たけれど、全くもって興味のない様子。


……こないだから時々、何度か椎名くんと図書室で話すことはあったけど、その度に、どこか遠くを見ている物憂げな表情が気になっていた。