暗闇に光る、二つの金色の目。
うずくまった、小さな生き物。

「猫だ」
しぜん明るい声が出る。
手をのばして、指を動かす。

にゃあと小さく鳴いて、車の陰に走り去る。

「あぁ、行っちゃった」

「あいかわらず、猫が好きなんだな」

「うん・・・」


修二のつぶやきに込められた意味を、知っているけれど。


とがめているでも、嘆くでもない。
すべての感情を押し殺したような、修二の声。


あたしのせいで・・・