この時間が、ずっと続けばいいのに。

そう願ってしまう。


そんなに長い曲ではなかった。

静かに手が止まり、最後の音が吸い込まれるように消えてゆく。


「・・・きれいな曲だね」

「哀しい曲だ」

「うん・・・」


何かの、かすかな気配に、二人で同時に視線をふりむける。