奈緒も隣に腰をおろした。

冷たい。

コンクリートの冷たさが、すぐに肌にしみてくる。
それでも、そこを動きたいとは思わない。


修二がケースをあけて、ギターを取り出した。
その手つきから、彼にとっていかに大切なものかが分かる。


ギターにさえ、嫉妬がわく。

醜い自分の心の内は、夜に負けないほど、暗い。