「あ、俺、和也。
さっき修二とツインギター弾いてたっしょ」


言われてみれば、ステージにいただろうか。
あらためて、修二しか見ていなかったと気づく。


「やー、可愛いコ来てるなー、って思ったら、修二の友達だったんだ」
屈託なく笑う。


「そんなぁ、そんなことないですよー」
千香が体をくねらせる。

「俺、何度も見ちゃったもん。
修二と同じ高校なのー?」

和也と名乗った少年が、千香から奈緒に視線をすべらせる。